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高齢者介護における 緊急事態の対応

人は、加齢に伴い心身の状態や病気の症状が、急変するケースが多くあります。それゆえ周囲の家族は 日頃から、高齢の方の全身状態や病気の些細な変化を注意深く観察し、理解しておくことが重要でしょう。
急変・事故等に遭遇した場合は、あわてることなく、まず何をすべきかを判断し、適切に対処することが求められます。適切な対処が生命を救い、また症状を軽くすることにつながります。
高齢者介護における緊急対応や症状急変時に役立つ基礎知識や対処をまとめてみました。

高齢者介護における緊急事態とは?

高齢者介護でみられる緊急事態としては、認知症などによる行方不明、火災、地震などによる転倒、けが、やけど、また病状の急変などをあげることができます。いざという時にあわてないよう日頃から必要な備えをしておきましょう。

介護緊急時への備え
@救急車の呼び方の確認
  119番にかける→「救急車をお願いします」→住所・氏名・電話番号をいう→電話をかけている
  者と傷病人との関係を伝える→傷病人の状況を説明する→玄関のカギを開錠し救急隊を誘導する
  →救急隊が到着したら「いつ」「誰が」「どこで」「どうして」「どうした」のかを伝える
A医療機関連絡先の確認
  主治医がいれば、医療機関の連絡先(時間外対応時の確認を含む)を確認しておく。
B緊急時情報ノートの準備
  氏名、住所、生年月日、現在の病状、かかりつけ医の連絡先、医療情報(内服薬、禁忌薬、過去
  に罹った病気など)、医師との緊急時の申し合わせ事項、家族との連絡先など。
C医療情報キットとして保管する
  必要な情報を記載した用紙、保険証のコピーなどをケース(医療情報キット)に入れ保管する。
D緊急時連絡先の家庭内表示
  電話機のある場所など誰にでもわかりやすい場所に、住所、電話番号、名前、家族の連絡先、
  かかりつけ医療機関の電話番号をなど掲示するようにしましょう。
E日頃からの心がけを!
  日頃から高齢の方の様子、状態をよく観察し、知っておくこと、声をかけたり、身体に触れたり
  しながら変化の兆候を見逃さないことが大切です。

バイタルサイン(高齢者介護における対応)

バイタルサインとは、生命維持を示す兆候のことで、生命に危険が迫っているかどうか を判断する指標ともいえます。血圧、脈拍、体温、意識レベル、尿量など。 意識状態が悪い、血圧が低い、脈拍が弱い、呼吸が速い、体温が低いほど、一般に危険な状態(緊急事態)にあるといえます。バイタルサインを測定するとき は、必ず声掛け をし、声の調子、顔の表情、反応のしかたなどを観察しましょう。また、身体に触れたときは、皮膚の冷たさ・温かさ、乾燥、冷や汗、発汗有無、色調などにも注意しましょう。

血圧:最高血圧が60mmHg以下(生命に危険なサイン)、230以上(脳出血の危険性)
脈拍:頻脈(100回/分超 心臓痙攣懸念)、徐脈(40回/分以下 意識障害 心肺停止懸念)
呼吸:頻呼吸(25回/分以上 肺炎等)、徐呼吸(12回/分以下)、過呼吸(回数、深さが増す)
体温:正常(35.5〜37.5度)、高熱(39度以上)、低体温(35度台以下)
意識:測定スケールJCS
 1
覚醒している

だいたい意識清明だが、今一つはっきりしない

見当識障害がある

名前、生年月日が言えない

刺激すると
覚醒する
10
呼びかけると容易に開眼する
20
大きな声、または身体を揺さぶると開眼する
30
痛み刺激でかろうじて開眼する

刺激しても
覚醒しない
100
払いのける動作をする
200
手足を少し動かしたり、顔をしかめる
300
まったく動かない

一次救命処置(高齢者介護における対応)

一次救命処置は、倒れている人に誰もがすぐに行える初期救命活動で、胸骨圧迫による心臓マッサージと人工呼吸があります。(人工呼吸は技術が伴わな い場合は無理に行わず、胸骨圧迫のみでもよいとされていいます。)

心肺停止とは?
心臓の活動停止によって、脳を含めた全身に血液を供給できなくなっている状態で、脈は触れなくなり、血圧も測定不能となります。心肺停止の状態が5分以上 になると、たとえ心臓の動きが回復したとしても脳への障害が残る可能性があります。

倒れた人を見たときの対応
@倒れた人などを発見したら、安全なところへ運び、応援を頼む。A救急車を要請する。B急変した人へ声をかけバイタルサインの有無を判断する。 C応答を確認する。D呼吸の観察と同時に頸動脈に触れ、脈が触れているか確認する。E呼吸が弱いなど、心肺停止が疑われる場合は、速やかに胸骨圧迫 を100/分以上の速さで30回行う。(意識があれば気道確保を行う)FAEDがあれば、胸部圧迫を続けながら、AEDを装着し刺激を与える。G二次救急 につなげる。

異物の除去

胸骨圧迫(心臓マッサージ)

AED(高齢者介護における対応)

AED とは「自動体外式除細動器」、心停止状態のときに、胸に貼った電極パッドを通 して心臓に強い電流を流し、心臓の動きを正常に戻す機能があり、音声ガイダンスや部位イラストなどあり操作がしやすく一般の人でも使える救命機器です。

AEDの使用



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